屋久島旅行(平成20823日〜26日)

                                     岡本和雄(写真はすべてクリックで拡大します)

 家内の還暦祝い(3年遅れ)として娘たちがプレゼントしてくれた旅行で、長女の家族(夫婦と小6の娘と小2の息子)が同行した。

 一日目:大阪APを8時過ぎに発ち、鹿児島で東京からの娘達と合流、プロペラ機に乗り換えて11時には屋久島APに到着した。

レンタカーを借りて、まずは滝を見物。最初に大川(おおこ)の滝を目指すこの滝は、滝つぼ近くまで歩いてゆけるので、目と耳と肌で滝の豪快さを感じることが出来る。 次は、千尋(せんぴろ)の滝に行った。山中の深いV字谷に豪快に落ちている。ただ、遊歩道が閉鎖で近くまで行けず、展望台からの遠望だけだったのは残念だったが、山の上から谷底に向かって斜めに走っている黒褐色の一枚岩とも見える巨大な岩盤が作る深い谷は、凄い景観だった。トローキの滝は、7mの高さから直接海に落下している。入り江の対岸の林の中から川の流れを含めて全容が望まれる。

 二日目は、‘もののけ姫の森’を目指す白谷雲水峡を歩いた。白谷入り口でトイレを済ませ、入場料(森林整備協力金)を払ってトレッキングスタート。付近には屋久猿が10頭余り群れを成していたが、箕面の猿のように人間に近づいてこない。餌は貰えないことを知っているからだ。危害も加えられないので、逃げても行かないが適当に距離は保っている。白谷川の流れに沿って歩く。最初は水量豊かな流れで、豪快に岩間を流れ落ちている飛流おとしの滝などがある。歩くにしたがって、森の緑度が濃くなっていく。渓流中の岩々も木々も倒木も地面も苔で覆われている。所々に屋久杉がでんと控えている。根元部分に空洞が出来たのやら、三本足杉やくぐり杉のような、何かを跨いでいるかのようなのもある。太古の昔倒木の上に芽を出した杉が、根っこが伸びて倒木を巻いて地面に根を下ろしどんどん大きくなっている間に、倒木の方はどんどん朽ちていってその内に無くなってしまい、空洞が出来たと、教わった。後30分ほどで‘もののけ姫の森’というところに無人の白谷小屋がある。小屋の前の広場にテーブルがあり、ハイカーたちが弁当を広げていた。広場の横のブッシュの中で、立派な角をつけた屋久鹿が、食事中だった。‘もののけ姫の森’は、木々も岩も地面もびっしりと苔に覆われていて、神秘的な雰囲気に包まれていた。標高610mの入り口から900mの‘もののけ姫の森’まで往復 15km弱、5時間余りの快適なトレッキングだった。

 三日目はいよいよ縄文杉登山。朝4時にホテルを出発。荒川登山口へ(標高600)で朝食をとりトイレを済ませたが、ぞくぞくと満員のバスが着き、その度トイレには長蛇の列が出来る。何とか成らないものか620分頃トロッコの軌道を歩き始めた。ほとんど途切れることなく人が続いている。トロッコ軌道は、僅かな昇りなのだが、とにかく歩きにくい。よそ見すると躓くので、下を向いてひたすら歩く。2時間半後、ようやく大株歩道入り口(登山道入り口)に着く。ここからは、厳しいアップダウンを繰り返して、どんどん昇って行く。所々に木道や木の階段が設けられている。途中にウィルソン株、翁杉や夫婦杉などのチェックポイントがあるが、周りの景色が展開しないので、みな黙々と歩く。下りの人達に出会うと、孫たちが元気よく「こんにちは」と声を掛けてくれ、これで気分が明るくなる。大株歩道に入ってから3時間近く、12時前にようやく縄文杉展望台についた。が、人が一杯で登壇は順番待ち。縄文杉は、その幹の太さ(胸高周囲:16.4m)が圧倒的である上に、結構色白で、ごつごつと瘤の多い表面は表情豊かで、寛大な老爺を思わせる。まさに屋久島の主、王者にふさわしい風格があった。

四日目は、再度大川の滝を見物した後、海中展望船に乗ったが、これは今一だった。四日間の屋久島だったが、天候にもまずまず恵まれて、楽しい有意義な旅でした。

<写真の説明>(上から順に)

大川の滝:全国滝百選に選ばれている、落差88mの大滝。左右趣の異なる  2本の滝からなっていて、左の滝は水量も多く豪快、右の滝は岩山を流れ落ち  ていて美しい。滝つぼの直ぐ近くで、水飛沫を浴びながら滝を眺められる。

お〜い!:大川の滝の左の滝。水量が減るとこの左だけになってしまう。

千尋の滝:深いV字型の谷に豪快に落ちる大瀑布。落差66m。

飛流おとし:白谷雲水峡に入ると直ぐにこの滝の横を通る。ごつごつした大き  な岩の間を物凄い勢いで流れ落ちていく。

苔緑の森:木々も倒木も岩も地面もすべて苔むした森。

屋久鹿:白谷小屋近くで食事していた鹿。人間は近づいてこないことを知って  いるのか、悠々と草を食っている。奈良公園の鹿のように餌をねだることは  ない。

苔の渓流:緑の岩を縫って流れる水が美しい。

三本足杉:三本足で立っている杉。股間は大人でも通れる。

森の蛸?:ヒメシャラ。この木だけは苔も付かず、異彩を放っている。

縄文杉登山道:険しい山道には木の階段が付けられていた。

ウィルソン株:300400年前に切り出された推定樹齢2000年の屋久杉の切株。中は広々とした空洞になっていて、泉が湧いていた。

縄文杉:推定樹齢7200年とも言われる。保護のために周囲は立ち入り禁止に  なっている。下草なども除かれているので、地面からの立姿が見える。樹高   25.3m、胸高周囲16.4m

縄文杉胴部:ごつごつした瘤だらけの表面で、見る角度によっていろんな顔が  見える。

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