「ザ・グルゾン・ファミリー」と言うタイトルで、グルゾンは彼女がアメリカで結婚されたドイツ人男性の方の名前です。坪田さんは津田塾に入学後、3年の時に海外留学でアメリカに渡られました。 「・・・・・とくに私と夫は異文化結合の共同体であったため、二つのルーツをつねに子どもたちにも忘れずにいてほしいという意識が強かった。六人の息子に日本国籍を持たせたのも、その意識のあらわれである。・・・・わが家の“ドイツルーツ部門担当”であった夫は、つねに動じることなく、子育てにも自分のやり方をつらぬいていた。大きな声でどなったり、手を上げたりは絶対しなかったが、逆らいがたい威厳をただよわせていたので、小さいころの子どもたちにとってはかなり煙たい父親であっただろう。夫はよくこう言っていた。“いつも六人まとめて団体行動というのはよくないよ。それぞれ個性を、よく見てやらないとね”・・・・・」 The Gruson Fund for Brain Tumor Research & Care 坪田グルソン裕子さんとご家族は、脳腫瘍の中でも難病のグリオブラストーマで亡くなられたご主人の(自分と同じ病気の人々が助かる治療法の研究をサポートする基金を創って欲しい)との願いを基に、2006年1月に設立されました。 アメリカ、ドイツ、日本他各地からの善意の寄付金をもとに、毎年、Cornel 医科大学で Michael Gruson Memorial Lectureship を開き、国内外の脳外科のスペッシャリストの講演、交流、若い研究者の留学の奨学金にあて、脳腫瘍の研究をサポートしておられます。 10月1日にはTsubota Gruson Memorial Golf Classic ( チャリテイゴルフ大会)がニューヨーク郊外で開催されました。 坪田さんと家族ぐるみのお付き合いをされてきた時岡寛子さんと私は9月29日から坪田さんのお宅に泊めて頂き、私はゴルフにも参加させて頂きました。 104人(ドイツからも、脳外科のドクターも参加されていました)もの参加者で、長らく国際金融弁護士をしておられたご主人の御人徳が偲ばれました。 ゴルフの下手な私も主にチームプレイで競い、ブービーとかも無かったので何とかホールアウトできてほっとしました。 ゴルフイヴェントは福引、サイレント オークションもあり楽しい雰囲気でした。 夕食の時に坪田さんの(脳腫瘍は国、性別、年齢を問わず、突然、誰にでも起こりうる)とスピーチが始まると、福引の商品でキャッ キャッ と楽しんでいた一同は一瞬 シーンと静まり、感動と賛同の大きな拍手が沸き起こりました。 私も悲しみを越え、人類への貢献に奔走されている坪田裕子さんにいつまでも拍手を送りました。 宮本 貴子 |