介護録の出版 鈴木順子
昨年四月、夫が他界しました。夫は、徐々に進行する神経難病を患っていました。初期症状の現れた時期からは十年以上の経過でしたが、介護らしきことが必要だったのは嚥下障害が生じた最後の三年ほどでした。介護の経験を通して、私は、終末期の迎え方、終末期の医療や介護のあり方につき、沢山のことを学びまた考えさせられました。訪問看護ステーションの沢山の看護師さんにお世話頂いたおかげで、いろいろありながらも幸運にも自宅で看取ることが出来たのでした。
終末期に携わる医療サイドの方々へ介護者の気持ちを伝えたかったことと、誰でもが迎える終末期、また、誰しもどんな病気を与えられるかわからないのですから私たちの問題を個人的なこととして留めることなく社会化することには意味があるとも考え、介護録を残すことにしました。出版に至りました経緯は著書の中に記載しましたが、極めて個人的な記録なので、患者名を仮名にし、著者名はペンネームとし、書店への流通は避けて自費出版としました。
先日、歩く会やサライ会の皆様にはお届けしましたが、もし読んでみようと思ってくださる方が他にもあればまだ少し余分がありますので4月の学年会の時、ご希望を伺いたく思っています。書名は「人生の黄昏時そして終焉」というものです。
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