鈴木順子さんの著書ご紹介

  

松橋君の推薦文
 この度、鈴木さんが、野原すみれ「人生の黄昏時 そして終焉」と題して、ご主人の介護記録を出版されました。 わたしは鈴木さんから恵贈を受け、到着日その日のうちに完読。深い感銘を覚えました。

 特に晩年の三年間はさまざまな介護支援を援用しながらも、基本的には自宅介護を中心にと決意され、家族の協力のもとに実行されました。この著書は、夫婦の深甚な情愛を基調音とした医師としての冷徹な観察眼に基づく介護記録です。そしてその介護記録は、まさに鈴木さんの謂う個人的な体験の社会化としての意味を持つに至りました。鈴木夫妻の体験された経験は、わたしたちにとっても避けて通れぬ途でもあり、同期生の皆さんにとっても喫緊の問題だと言えましょう。

 鈴木さんは学年会での披露とかHPに掲載とか、自分の著書だけ特別扱いをされるのは面映ゆいと謙遜されていますが、わたしは完読した者として、皆さんにも必読の著書だと自信をもって推薦します。幸いにして、この著書は代価を求めず、自費出版として刊行されましたので、希望者には鈴木さんから無料で恵贈されます。入手希望者は学年会の折もしくはHP閲覧時、遠慮せずに鈴木さんまで入手希望とお伝えください。     
                                           松橋二郎

 

介護録の出版                   鈴木順子

 

昨年四月、夫が他界しました。夫は、徐々に進行する神経難病を患っていました。初期症状の現れた時期からは十年以上の経過でしたが、介護らしきことが必要だったのは嚥下障害が生じた最後の三年ほどでした。介護の経験を通して、私は、終末期の迎え方、終末期の医療や介護のあり方につき、沢山のことを学びまた考えさせられました。訪問看護ステーションの沢山の看護師さんにお世話頂いたおかげで、いろいろありながらも幸運にも自宅で看取ることが出来たのでした。

終末期に携わる医療サイドの方々へ介護者の気持ちを伝えたかったことと、誰でもが迎える終末期、また、誰しもどんな病気を与えられるかわからないのですから私たちの問題を個人的なこととして留めることなく社会化することには意味があるとも考え、介護録を残すことにしました。出版に至りました経緯は著書の中に記載しましたが、極めて個人的な記録なので、患者名を仮名にし、著者名はペンネームとし、書店への流通は避けて自費出版としました。

先日、歩く会やサライ会の皆様にはお届けしましたが、もし読んでみようと思ってくださる方が他にもあればまだ少し余分がありますので4月の学年会の時、ご希望を伺いたく思っています。書名は「人生の黄昏時そして終焉」というものです。

 


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