2009.09.09田中信昭

船旅の自由帳〜7〜(シンガポール)

昨夜24時やっと本船はシンガポールを出港した。結局3日遅れ。もともと古い船だから

港での船級協会の検査で引っ掛かるらしく、その指摘を急遽手直しするのに時間がかかったとの説明。一体この先、無事航海が続けられ、ちゃんと日本に帰りつくのか?乗客に不安がよぎる。

出航が延びたので、思いがけずシンガポールに下船できることになった。のんびり街を見物。現役時代仕事で何度も訪れた(ゴルフも楽しんだ)ところだし、知っているつもりでいたが、案内人なしで動き回るのは初めてとあって若干緊張。というのは街ではいわゆる「シングリッシュ」(シンガポールイングリッシュ)で言葉が簡単には伝わらない。地下鉄に乗るのも初めて、BUGISというアラブ雰囲気の街とLITTLE INDEAのインド人街へ行ってみた。仕事関係で付き合っていた人たちとは全く異なる生の街の雰囲気を味わった。

その後が、インターネット接続の苦労話:

期待に反して船上のインターネットが未だ使えない状態なので、街で何とかしようとPCを担いで下船、本船が着岸しているのは「ハーバーフロント」という所で大きなショッピングセンターがあり日曜日ということもあり、大賑わい。何と日本の「ダイソー」も店を出しており“any time 2$”(1シンガポールドル=¥70)で日本語のままの商品が所狭しと並べられており、大変な賑わい。

スターバックスで手ごろな席を確保してコーヒーを一杯注文、さてとパソコンを開いてびっくり、画面は真っ黒、うんともすんとも言わない。カンボジアに行っている間に電池が切れたのだろうと思い壁にあるコンセントに繋ごうとしたら「あ、プラグが合わない」船に帰るのは面倒だからと幸い見つけた電器屋(BEST電器)へ。これで接続するもなお我がPCは黙ったまま、頭真っ白になって、仕方がないからもう一度電器屋へ行ってPCの専門家はいないかと掛け合う。幸い通じてやっぱり充電不足の精らしいと判り、ホッとしてもう一度スターバックスへ。こんどこそはと期待して充電のコンセントに繋ぐが、だめ!あーあ絶体絶命、とあきらめかけたが、ちょっとそばにいたやはりPCに向かっている客に尋ねた。何とプラグの上に押しボタンのようなスイッチがありそれを押さないと電気は来ないそうな、何とか我がPCの懐かしい画面が浮かび上がった時は思わず「ヤッター!」しかしインターネットには未だ繋がらない、ID番号とパスワードがいるという。日本でもこういうのをやったことがないから本当に苦労。またそばの客に応援を求めたらなんと親切に自分のを使えばいいよと言ってその場で入力してくれた。そしたら繋がった、繋がった、実にサクサクと早い早い!大喜びで書きためていた日記を皆さんに送った。たまたまパソコンの前にいた何人かの方々からすぐさま返信ももらい、ハッピー。

皆さんに送った旅先からの第一報にはこんな涙ぐましい苦労があったのです。

喜んで帰船して「はて?」とちょっと不安がよぎった。あの親切な人が実は悪い人でこうやって判っていない旅行者からインターネットを通して我がPCに入り込み、情報を盗まれるということはないだろうか。そういえばあの時(勿論自分独りになってからだが)ネットバンキングやなんかも開いてしまったな、大丈夫だろうか?

この年になって知らないことを経験するのは気苦労なことだ。まあ何とかなるだろうが。



            

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