2009.10.05 田中信昭   

船旅の自由帳17〜トルコ探訪

エーゲ海を抜けて本船はトルコのイズミールという港町に着岸。予定より2時間遅れの13時、

これからそれぞれのコース毎に下船して旅路に着く。「パムッカレとエフェソス観光」という12日のコースに参加。

 

バスが港を離れて間もなく高速道路に入る。立派な片側3車線の道路で料金所にはETCに相当する自動開閉機があり、日本と同じ。周辺の景色も緑が多く畑や牧場も一杯。今までの国とは全く違い、ホッとする感じ。まるで北海道をドライブしているよう。現地ガイドの日本語がとてもうまく、よく聞き取れる。お陰で随分勉強した。

トルコは人口約6千万人、イスタンブールが最大で1200万人、次いで首都アンカラ450万人、イズミールは3番目で350万人の大都会。白ブドウと美人の産地だとか。国土の面積は日本の約2倍、有名なチグリス川もユーフラテス川も源流はここトルコだそうだ。農業国で食料は100%自給できるという。いちじく、杏、ヘーゼルナッツ、ザクロ、かりんなどは世界一の産出量を誇る。

先祖は蒙古系で中国の北の方からやってきた。アレキサンダー大王やローマの影響も受けながら、やがてイスラム圏に入り、セルジュクトルコ、オスマントルコの時代を経て1923年から共和制になった。長い間イスタンブールが首都であったが、共和制になった時から、あまりにヨーロッパに近く海からも近いから攻められる危険性があるいう理由で、地理的により中央に位置する今のアンカラに首都がうつされたのだという。(ここまで受け売り)

 

「エフェソス」

さて、南へ数十キロ降りたところに古代都市「エフェソス」の遺跡がある。かつて「アルテミス神殿」があり古代ローマ帝国の東地中海交易の中心地であった。愛読書の一つ、塩野七生さんの「ローマ人の物語」の世界、とうとうその地へやってきたのだ! 今回の地中海巡りでこれからも至るところで古代ローマ帝国時代の遺跡に出くわすのだろうが、その第一番目を目の当たりにしている!

この地は山から流れ込む土砂の堆積で埋まり、8世紀に至り度々アラブ人の攻撃を受け、東ローマ帝国はこのエフェソスを遂に放棄、この街は朽ち果てた。今は部分的に修復が進んでいるが、世界遺産の条件を満たすことができないでいる。しかし図書館や劇場、清潔好きだったローマ人の浴場や水洗公衆トイレ跡等あの物語で紹介されていた通りの生活振りを彷彿とさせる遺跡群を目の当たりにして興奮気味に写真を撮りまくった半日であった。イエスキリストの聖母マリアも使徒ヨハネと共にこの地エフェソスで余生を送ったと伝えられている。

 

 

 

 

「パムッカレ」へ

東へ百数十キロ、夜9時になってようやく今宵のホテルに辿り着いた。直ぐに遅い夕食、トルコ料理は世界でも有名、野菜も果物も豊富、ケバブもうまいしパンも美味しい。しかしあまりゆっくりはしていられない。今日の行事はまだ終わらない、これから待望の温泉に入らなければ。プールでひと泳ぎした後は温泉へ、久しぶりのお湯に浸かってご満悦、温度は40度ぐらいか、暗くてよく見えないが鉄分を含む赤茶色の湯のよう。日本の温泉場のようにしょっちゅう洗っているわけではなさそうで大理石の底や壁はぬるぬるしていた。みんな水着を着て入る混浴。

 

「パムッカレ」の石灰棚

トルコ語で「綿の宮殿」の意味だとか、昔から良質の綿花の一大生産地。弱酸性の雨が台地の炭酸カルシウムを溶かし地下水となり、地熱で温められ湧き出て温泉となり、沈殿した石灰が固まって純白の棚田のような景観を作り出した。壮大な景色に息を飲む。以前に来たことのある人が言うには、この棚田の一つ一つに水がたまっており、それがブルーに染まりその美しさはこんなもんじゃなかったと。最近は水が少なくなり枯れているんだとか、少しがっかりしながら足湯をするために観光客が集まっている所まで行って暫しの自由時間。人込みを避けて反対側へ行ったら、あった、あった!ちゃんと水が溜まって見事淡いブルーに輝いている棚田状の石灰石が!上流から水を補給していたんだ。さっき見たところはきっと早朝でまだ水が十分に溜まっていなかったに違いない。と勝手に想像した。観光施設としてきれいなプールがあり、外人観光客(長期滞在者)が大勢泳いでいた。何でもクレオパトラもここで泳いだとか!?

石灰棚の上のところに「ヒエラポリス」の遺跡というのがありやはり劇場や浴場の跡が見られる。古代ローマ帝国の時代にも温泉保養地として栄えた場所だったが、大地震で廃墟と化した。

他に行きたかった所:

カッパドキア(ギョレメ)、トロイ遺跡、イスタンブールとボスポラス海峡、ベルガモン遺跡、、

もっとトルコ料理も。

 

*ガソリン価格がなんと180¥/kl ! 85%が税金 90%輸入 周りの国ではみんな石油が 

 出るのにどうしてこの国だけ産油国じゃないの? 政府とアメリカの政策だとガイドが声をひそめ   

 て囁いた。ユーロに加盟したいがなかなか入れてもらえないでいる。一見豊かそうに見えるこの国も色々難しい問題を抱えているようだ。この国の人はお茶【チャイ】が大好き、各家には必ずと言っていいほどベランダが付いている。ここで周りを眺めながらゆっくりお茶を飲むのが何より楽しみだという。ツアーの帰りに必ず立ち寄る土産物屋、今日は高級トルコ絨毯の製造販売店、見事な高級手織りの絨毯の説明を聞き、数百万円という値段を聞いて溜息。それでも買う人がいるからこうやって毎回連れてくるのだろう。高級トルコ石、の次にこれも高級な子羊のスエードのジャケットが目に付き(いろいろ面白い値切り交渉があって)ついつい手が出てしまった。

  カアちゃんゴメンナサイ!

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