2009.10.02 田中信昭   

船旅の自由帳16〜エジプトのピラミッド

早朝5時からコース毎に順次下船、「Mコース:ピラミッド群探索コース」に参加、ここポートサイドからカイロまでバスはコンボイ(護送船団?)を組んで前後に銃を持った警官隊のジープに護衛されながらの移動。

エジプト5千年の歴史、人類4大文明の一つ。古代王国時代、アレキサンダー大王の時代、プトレマイオス、クレオパトラ、とそれに続くローマの時代、イスラミック時代、モハメッドアリの時代を経て、現在の大統領時代までの長い歴史のあるエジプト。

ナイル川は夏になると氾濫し、上流の肥沃な土がエジプトの砂漠に運ばれるため、世界でも屈指の肥沃な土地となる。エジプトの人口約八千万人の99%はナイル河畔に暮らしているという。

ミイラのある博物館の見学は省略して専らピラミッドだけを見学するツアー。

 

「サッカラの階段ピラミッド」

カイロから西南方向およそ20km、ナイルの西岸にギザ台地に連なる石灰岩の台地がある。ここには古代エジプト(古王国時代)の首都メンフィス(BC3200年〜BC2500年)の墓地として、第一王朝の頃から多くのマスタバ(レンガの墓)が造られていた。現在そこには完全に砂に囲まれているがエジプトで最初に作られたといわれるジョセル王の「階段ピラミッド」がある。崩れかけた6階建てのピラミッドとそれを取り巻くように造られた城壁の一部が残っている。

 

「来た、来たぞ!遂に」 これがピラミッドか。はやる気持ちを抑えつつ、エジプト人ガイドの常に一番先頭にくっついて回る。足元は薄茶色い砂、辺りは完全な砂漠の台地。高さ60m、底辺長さ東西123m、南北107m。このピラミッドは数回にわたって拡張されて今の姿になったという。周囲にはかつて葬祭神殿があり、それを取り囲むように壁が石灰岩のブロックで建造され、人が入れる入口が一つだけ造られていた。他にも13の入口があったがいずれも偽の入口で迷路のようになっていたそうだ。小さな入り口から入ると石柱が並ぶ回廊があり、写真で見るギリシャを思い出させるが、ここの方が二千年も古いことになる。

 

通り抜けてピラミッドを右に見ながら砂と石灰岩のブロックの上を進み、小高いビューポイントに着くとここからは360度砂丘が続く。遠くに別なピラミッドの姿も見える。現地の人がラクダやロバを引いて「1ドル、1ドル」と叫びながら盛んに乗れ乗れとジェスチャーする。ピラミッドをバックに写真を撮ろうとすると割り込んでくる。ぼられる恐れがあるという警戒心があるから観光客はみんな敬遠して逃げ回る。結局稼働率が悪く損をしているなあ。料金を交渉式でなく、公にしておけば皆並ぶようにして乗るだろうに!商売上手といわれるアラブ商人も実は実質的にはあまり得をしていないのではないか、商売は信用第一、リピート客大事!

 

「ギザのピラミッド群」

“初めてみる大ピラミッドの威容、目の前に立ちはだかる巨大な石壁を見上げていると圧倒され唖然としてしまう。それにしてもこの巨大さは凄いの一言に尽きる。これだけの石造物が、「方位」や「水平度」それに「底辺の長さ」において誤差がないに等しいというからそのずば抜けた技術には只舌を巻くばかりである。” 予めインターネットで調べたギザの大ピラミッドの項からは、こんな文章が目に付いた。

 

さあいよいよそのギザのピラミッド見学! その前に昼食。予め設営されている街のレストランの2階へ、さあテーブルについて窓の外を見てびっくり。目の前のビルの向こうにピラミッドの上部が見える。あれっ、有名なギザのピラミッドって砂漠の中にあるんじゃないの? 

昼食後、それでもバスですぐ近くにある大ピラミッドへ。古王国時代第4王朝のファラオ(王)クフのピラミッドがすぐ目の前に。高揚する気分を抑えながら近づいてみて、改めてその大きさに目を見張る。高さ146m、てっぺんが崩れて9m減って実際は137m。底辺230m、傾斜度52度、使われている石灰石の数、何と300万個! 1個の重量が1トンから15トンもあるという。約4500年も前にこのようなものを建造する技術力を持った人たちがいたとは!前に見たTVで、ピラミッドはどのようにして造られたか、今もって定説はなく、最近新たに調査された内部の構造から、内側通路を通して石は運びあげられたのではないかという説も有力だとか。

それにしてもこの大勢の観光客とそれに群がる物売り達、「ワンダラー(1$)、ワンダラー」

日本人を見かけると、「ヤスイヨ」「ヤマモトヤマ」などと知っている日本語で叫ぶ。誰かが教えたのだろう。それにしてもどうしてヤマモトヤマ(山本山)なの?

ビューポイントから、見慣れた3つのピラミッドの並ぶ風景が見られ、そこでラクダに乗って写真を撮るという恒例行事。2ドル、これは現地バスガイドの斡旋による公定料金(?) 直ぐバックに町並みが見える。

 

「スフィンクス」

次にその下にあるスフィンクスへ。全長73.5m 全高20m、全巾6m。石灰岩の丘を掘り下げたもので四角い窪地の中に位置している。写真で見慣れたものとはいえ、その姿はなかなかいい。

ピラミッド付近まで住宅地は迫り、生活廃水が流されるようになったため地下水が上昇し、近年ではスフィンクス付近にたびたび池が出現するらしい。“スフィンクスの見ている先には何があるか“

何とその先にあるのは直ぐ近くの街の通りにある“Kentucky Fried Chicken!!

 

最後に、

この周辺には一杯ピラミッドがあるのにいずれも崩れているか、殆ど崩れかけている。

何故、三大ピラミッドだけが今にその立派な姿で残っているのか、この3つを建造したその卓越した技術はどうしてその後に残らなかったのだろうか?

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