2009.09.24 田中信昭   

船旅の自由帳12〜イルカの大群

目が覚めたら船窓はうっすらと明るい。未だ4時過ぎ。昨夜のうちに船は方向転換して東経61度を真北に進み始めた。船は立ち寄るところがないからか、時差調整をしないままなので、今朝の日の出は早いぞ、エーイ起きてしまえ!とおもむろに着替えてデッキに出てみると意外や早起きの人がいつもより多い。丁度日の出に間に合って「今まさに昇らんとす」今日は今までで一番水平線上の雲が少なく波も穏やか。数分にして赤い太陽が顔を出し始める。撮影と測定に忙しい。4時42分37秒〜4時44分57秒まで、2分20秒。太陽の先端が水平線に接した時から、下端が水平線を離れきるまでの時間だ。実は日本を出る前から、この時間を世界各地で実測してみようと思って、横浜を出てから時々頑張って測定しているが、案に反して日の出、日の入りの時刻には水平線上に雲のあることが殆どでなかなか目的を達せられないでいた。今日は数少ないチャンスであった。いずれいつか纏めてレポート(?)できればいいが、今までの感触は吉永君(親友の一人でこの件に関して色々計算やなんかで教えてもらっているーー読んでくれているかな?)の計算値よりいずれの測定値も長い!今後更に観測を続けよう。

普段午後の時間にデッキに出ることは殆どないのに、どう言う訳か今日に限って昼食後散歩の積りでちょっとデッキへ出てみた。果てしなく広がる大海原を見ていると、少しプツプツと波立ちの違う所が目に付いた。あれっとと思ってみているとその周辺あちこちに何かがジャンプしている。イルカの群れだ!どんどん近付いてきて例の何匹ずつかが一緒に飛び上りながらまるで挨拶してくれているかのようなしぐさ。大急ぎキャビンにビデオカメラを取りに戻る。間に合うか、、

果たして、再びデッキに戻った時にはもう海原は静かでイルカの姿はどこにもなかった。残念!

しかし又次の群れが来てくれるかもしれないからと暫く海を眺めていた。待つこと5分ぐらいか、来た来た、前より更に沢山の群れが近づいてきて盛んにジャンプを繰りかえす。日本でも五島列島へ行った時だったか、イルカウォッチングで随分楽しませてもらったものだが、あれ以来の大歓迎を受けて暫しハッピーな気分だった。

もう少し陸に近い所では「かもめ」か「カツオドリ」というのか、海鳥が盛んに船に付いてくるようになるが、そういう時は下の海面近くに沢山のトビウオが飛んでいる。海鳥が餌に向かって急降下するところやホバリング(?)しながらじっと空中の一か所に浮かんでいるのを見て居ると飽きない。そのあたりのことは、国内でフェリーに乗った時と同じか。

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