1117日に、男性3名女性3名の6名で、山辺の道を歩きました。

古代のロマンが数多く点在する山辺の道は、第25回(2006年・16年前)と、第64回(2010年・13年前)の歩く会でも13名の方が歩かれました。今、高齢となり足が弱っている者のことを考え、山川さんが下見をして下さり、その一部、三輪から巻向までを歩くことになりました。お天気が危ぶまれていましたが、山辺小学校の1時間毎の天気予報で午後は回復することがわかり、実際歩いている間、日射しも見られたのでした。

万葉まほろば線(桜井線)三輪駅に12時半頃全員で到着しました。今回の第一の目標は、日本最古の神社「大神神社」に行くこと、そして山辺の道に沿ってその摂社をいくつか訪れながら巻向駅まで歩くことです。

大神神社は酒造りの神様です。まず麓の酒店で今年の新酒「三諸杉」を購入しました。

「大神神社」の二ノ鳥居をくぐり鬱蒼と木々の茂る参道を進む間に気持ちも厳粛になりました。まっすぐ進む先に少し石段を登ったところに拝殿がありました。ご神体は三輪山ですので本殿はありません。拝殿の前には樹齢400年という巳の神杉があり三輪の大物主大神の化身の白蛇が棲むことから蛇の好物の卵が参拝者によりお供えされていました。

次に、大神神社の神宮寺であった聖徳太子開山の「平等寺」へ行きました。いろいろ曲折はあったようですが、現在は曹洞宗寺院として再建されています。境内には聖徳太子象があり、また珍しい二重塔がありました。

「卯」=「兎」は物事を始める吉祥を指すということで、大神神社と兎は深い関係にあり兎の像が飾られているのでその背を撫でて(「なでうさぎ」)、次に狭井寺へ向かいました。

「狭井神社」は病気平癒・身体健康の神様で、その参道(くすり道)には薬木・薬草が植えられていました。三輪山を水源とする湧き水は、万病に効く「くすり水」として信仰され、全国から健康祈願の参拝者が多く訪れるようです。

次に、境内一帯の高台・「大美和の辻展望台」に行きました。展望台からは、東に三輪山の円錐形の雄姿が眺められ、西には奈良盆地、その奥に大和三山、さらにその先に二上山、葛城山、金剛山を見晴らすことができました。三輪山に登った人から山には磐座があるのみだという話など聞きながら一息つきました。(三輪山は太古の昔より神様の鎮まる神聖な場所で、禁足の山として入山が厳しく制限されていましたが、近年お参り目的の登拝は許されるようになりました。その時は笑いながら聞いていた三輪山登山でしたが、狭井神社で参拝料を払い、お祓いをして入山心得を聞いてから登るという厳粛なものであることを後で知りました。)

次に、境内から山辺の道を北へ進み、玄賓庵(これは素通り)を通り過ぎ、林の山道を通って進んでゆくとやがて檜原神社に着きました。「檜原神社」は、天照大御神を宮中より伊勢神宮へ移す間祀った元伊勢の始まりの場所であるそうです。そのご神体は三輪山中の磐座とされ本殿はなく、3つの鳥居を横一列に組み合わせた「三ツ鳥居」がありました。三ツ鳥居を通して三輪山を拝むのです。境内には三ツ鳥居の手前横に小さな豊鍬入姫宮がありました。

注連縄だけの鳥居(このような注連縄だけの鳥居は、大神神社にも狭井神社にもありました)をくぐって降りていき、巻向へ向かうのですが、道脇には美しく紅葉した柿の葉や花水木、小さな花をつけた茶の木、可愛い臭木の実、野紺菊、沢山の実をつけた柿の木、残り少ない実をつけている柿の木など、目を楽しませてくれるものが一杯でした。苅田に束ねた稲藁が天日干しされているのがのどかで、懐かしい気持ちで眺めました。途中の緩いアップダウンの山道は遠く感じましたが無事に巻向駅にたどり着きました。播向駅から奈良まで桜井線(まほろば線)に乗りましたが、「帯解(おびどけ)」とか「京終(きょうばて)」など面白い駅名を楽しみました。帯解は寺の名前にさえあるそうです。車内で八木さんに奈良のことをいろいろ伺うことができ、楽しさが倍増し、あっという間に奈良に着いてしまいました。日が短くなり、5時過ぎなのにもう暗くなっていました。

 山川さんが予約して下さったヤマトモダンJR奈良駅前店で夕食を取りました。6人で食卓を囲みビールで乾杯、楽しかった一日を振り返ったり、これまでの歩く会のこと、最近の生活や考えていることなど話が弾みました。みんなよく食べ、よく飲み、よく喋り、歩いた後のこの楽しみを満喫したのでした。だんだん参加しにくい事情が生じる人も増えてきますが、少ない人数でも歩く会は是非続けていきたいとの気持ちを強くしたのでした。

 帰りの電車は近鉄の方が便利と、近鉄に乗りましたが、近鉄に不案内で不安な私のため、八木さんが大和西大寺で途中下車して京都行きの乗り換えを案内して下さり、京都行き特急が発車するまで見送って下さったのでした。 

 山川さんは下見をしたり、天気予報を確かめたり、皆が安心して参加できるよう気を配って下さいました。そして奈良に住まわれる八木さんには奈良についていろいろ教えて頂き、こんな有り難い機会を与えられたことを幸せに思いました。

今日は三輪から巻向までたった一駅を歩いただけでしたが、日本の心のふるさとを感じられる思いで、のどかな奈良をもっともっと歩きたいと思いました。

帰ってから確認すると、今日の歩数は16830歩でした。

大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和しうるわし」倭建命

   
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