88回 羽束山(三田市) H 24.6.13 実施

                                                   (文章の中の写真もクリックで拡大します)

 羽束山は、三田方面にゴルフなどで出かける際、途中、車から直ぐ近くに眺められ、姿の美しい山とは知っていたが、登ったことはなかった。幹事の山川さんからは、南側の香下(かした)から登り、反対側の木器(こうづき)に降りてバスで帰りたいと聞いていた。

調査開始。JR三田駅のバス案内所でバスの時刻表を、また観光案内所で三田市の観光地図をもらう。これにはいくつかのハイキングコースが紹介されている。更に“兵庫県の山(山と渓谷社)”の羽束山の項を見る。

これらを検討した結果、集合時間が1時間ほど早くなるが、木器から登り香下に降りてJR三田駅まで歩くコースを提案して、受け入れてもらった。そこで、下見の山歩きを1週間前に行った。入梅前の快晴の日だったが、コースは意外にややこしかった。まず登山口が判らない。標識が全くない。とにかく地図を見、人に聞いて山に入ると、登山道はダム工事で変更になっていた。新しい道には黒と黄色のロープが引かれていて迷うことはなかったが、本来谷筋を登って行くところが脇の斜面を登る格好になっていた。また、ロープを頼りに上らねばならない岩場が2か所ほどあったが、この程度なら我々の歩く会のメンバーなら十分こなせると思った。下山道は昔の参道で、よく整備されている。割合急坂で大きな石が転がっているが、ほとんど階段になっていて問題なし。香下バス停からの道も問題ない。ということで本番へ。

当日は、早くから雨の予報で中止を覚悟していたのに、前日になって曇りのち晴れの予報に。

JRの遅れで皆さんの集合が少し遅れたが、定刻925のバスで木器へ。いつもの体操をしてから歩き始める。のどかな田園風景。田植えも終わってシラサギが舞い降りている。癒される景色を見ながら小さな住宅地に入り登山口を目指す。すでに登りが始まっている。道端にはノアザミ、ハルジョオン、キンポウゲなどが美しい。アスファルトの道が終わると目の前にダム工事の現場。登山口辺りに迂回路の立て札がある。下見の時はこの矢印を見間違えて工事現場深く入ってしまったが、その時の工事人に、迂回路の登山道には黒と黄色のタイガース色のロープが張られていると教えられた。迂回路は雑木林の中を少し急な狭い道を登って行くが、しばらく進むと今度は急坂を降りることになった。平坦な道になってから本来の登山道に入り、再びのぼりが続く。大変なのはこれからだった。とにかく倒木が多い。それも太い木が道を塞いでいて、越えるべきか潜るべきか判断の難しいところもあった。左が谷に落ちる急な所もあった。でも山道は木漏れ日もあって気持のよいハイキング。木々は新緑で美しかったが、花は山アジサイが見られたていど。頂上近くでは、最後の難所が待っていた。急な岩場でロープに捕まってよじ登らなければならなかったが、宮井君などが岩の横を木につかまって登るルートを見つけてくれた。そして観音堂のある広場に出た。嘗てはここで護摩を焚くなどの行事が行われたのであろう。頂上はすぐ上の羽束神社の境内である。その手前には香下寺(麓のお寺)の鐘楼があり、無事に登ってきたお礼の鐘をゴオーンと撞いた。神社の先に展望台があり、眼下に田植えの終わった水田、ゴルフ場、三田の市街から有馬富士などの山々遠くの山々までの眺望が広がっている。登ってきたしんどさなんか吹っ飛んでしまい、すっと汗の引いてしまう爽やかさを味わえたと思う。ここには座るのに適した岩もあり、12時過ぎに楽しみのお弁当をひろげた。

 下りは香下寺(こうげじ)までの参道を歩く。大きな岩がごろごろした急な坂道であるが、途中から岩が階段状に敷かれていて、よく整備されている。険しいところには柵が設けられて、太いロープが張られている。登りには頼りになりそうだ。所々の道脇の足元に小さな石碑があり、4丁、5丁などと読める。頂上の羽束神社まで後4丁、5丁ということらしい(1丁約100m)。途中6丁峠という標識があり小さな祠があってお地蔵さんが祀られていた。木々の間から遠く千刈りの貯水池や六甲の山々が望まれるようだが、木々が視界を遮っている。黙々と下って、登山口の香下寺に到着。ここで20分ほどの休憩をとり、JR三田駅を目指して歩き出した。
5.5km。田圃やナス畑の間を少し歩いて有馬富士カントリークラブの真ん中を突っ切る道を進む。1週間前はウツギ(ウノハナ)の花が咲き乱れていたが、今日は全く見当たらない。代わりにノイバラの花が咲いていた。季節の移ろいって意外に早いのだ。道辺の花は、朝の住宅街と変わらないが、ノアザミが多い。花の色の白っぽいのを見つけた。突然変異なのだろうか。ゴルフ場を外れたお家の石垣にサボテンの花が咲いていた。道は山道に入り、今度は三田ゴルフクラブの周辺の道を歩く。この頃から全体に遅れ気味になり、この後予定しているキリンビールの工場見学の迎えのバスに乗り遅れたら大変だ。三輪神社の参拝も取りやめて、少し急いでもらってなんとか3時にJR三田駅について、無事バスに乗り込んだ。ここから女性2名が合流。キリンビールの神戸工場は三田市街を外れた工業団地にありその見学施設をキリンビアパークと呼ぶらしい。このビアパーク、結構広くビール会社がこういう宣伝活動にいかに力を入れているのかがよく判る。工場の印象としては、やはり人が少なく自動化されていて、ロボットが動かしているのだが、一か所、人がいて流れていくビール缶群の中から一個を摘まみだして、何か調べているようであった。多分抜き取り検査の一種であろうが、全然雰囲気が違ったし、無意味なことをしているようでもあった。すべてを機械に頼る不安があるのだろうか。こんなことはどうでもよいことで、その後の試飲の時間が楽しかった。造りたてのビールはやはり喉越しが良く、旨かった。また、ビールの次ぎ方を実演してくれたが、あんなに時間がかかっては意味ないと思った。工場見学は楽しかったが、その後にまだ楽しみが残っていた。幹事長が拘っていた焼き肉の夕食会は、送迎バスのある“ひまわり”で。タンから始まりミノまでのコースは、三田肉だけに旨かった。まだ明日への活力を付けるのにお肉は必要だと感じた次第。何、活力を付けるのは、アルコールだと。

 今日の歩く会の羽束山は意外にタフなコースではあったが、雑木林の中を歩いて楽しかった。

皆さん帰りはそれぞれのお宅まで、遠く大阪市内や大津市まで、大変だったでしょう。

有難うございました。

(岡本記)

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