7月の歩く会報告                                     鈴木順子
     7月の歩く会は、7月27日、13名(女性7名、男性6名)で、滋賀県にある三上山(標高432m) に登りました。
 当初6月に予定されていたのですが、梅雨の頃で当日の天気が予報では雨、所により突風 や雷もあり得るとの事で中止となりました。
7月の暑い時期になったためか、体調をくずした人もあり、 参加者は少なかったのですが、変化のある登山を楽しみました。
 三上山は、美しい円錐形の山で、別名近江富士といわれ、古来、神の宿る山、御神山(御影山、三神山) と呼ばれ、俵藤太の百足退治伝説に因んで、ムカデ山とも呼ばれています。[ 平正門の乱を鎮めたことで 有名な藤原秀郷(通称、俵藤太)は、瀬田の唐橋に大蛇が横たわっているのを臆せず踏み付けて渡ったが、 大蛇は琵琶湖に住む竜神一族の者が姿をかえたもので、藤太を見込んで一族を苦しめていた百足の退治を 懇願した。藤太は三上山を7巻半する大百足を矢で射て退治した。お礼に米の尽きることない俵などの宝 物を贈られ、龍神の助けで正門を討ち取ることが出来たということです。]
   最も暑い時期でありましたが、当日はラッキーなことに薄曇りで、日射しは強くありませんでした。JR 野洲駅に集合、JRが少し遅れましたが、10時すぎには全員揃いました。
 山麓の御上神社まで2、30分歩いて神社で準備体操をするつもりでしたが、野洲の整然とした美しい 町並みを気持ちよく歩いていくうちに8号線を通り越してしまい、御上神社には寄らずじまいになりまし た。御上神社の御神体が三上山であること、神社の本殿は国宝で小さいながら美しいと聞いていたので、 寄れればよいと思いましたが、登山口まで来てしまっては誰も戻る気がしません。表登山口の前で準備体 操を済ませ、猪除けの冊の横の石の階段道を登ることになりました。
 表登山道はいきなり急傾斜の石段が続きますが、少し登っていくと、建物の基壇が残っている平坦地が あり、妙見堂跡と思われました。そこですこし休んでから、後ろに続く登山道に進みました。  傾斜のきつい登山道で、丸太の階段が出来ていたりもしましたが、露岩の上を歩いたりもします。やが てガイドブックの写真で見た割岩との分岐に着きましたが、私を含め大半の人達は割岩には向かわず、縦に割れている巨岩を右手に見ながら登山道を進みました。実際に通った松原さんや山川さんの話では、巨岩の割れ目は、体を横にしてやっと通れる狭さで、案内板にメタボチェック岩と書いてあったそうです。  道は益々険しくなり、岩場に手摺が設けられているので、手摺に縋って登っていくのです。樹林の途切 れるところで振り返ると野洲の町が美しく眺められました。岩を削って階段状にしてあったり、木の根が うまく階段を形成していたり、と歩きやすくはなっていたのですが、急な昇りに私は皆のペースについて いき難くなってしまいました。松原さんが魔法の飲み物(ビタミン剤?)を下さったので、小さな一瓶を 飲み干すと、身体が楽になり、再び歩き出すことが出来ました。 ストックは山川さんが持って下さり、 岩を掴んで、四足獣のようになって、足がスリップしないように気をつけて登りました。再び手摺があり、 それに縋って登っていくとやがて展望台です。途中、何ケ所かで、谷間から通り抜けてくる涼しい風を感 じ、立ち止まって気持ちよさを味わいました。
 岩場の展望台から見下ろす景色は素晴らしく、ゆっくり眺めていたい気持ちでしたが、少し怖くもあり、 すぐ先に進むともう山頂でした。鳥居と小さな祠が3つ、そして注連縄の張ってある大きな岩(盤座)が ありました。ここに天之御影神が御降臨したとのことでした。
 少し進んだ山頂広場にはベンチもあり、そこで昼食にしました。くつろいでゆっくり休み、岡本さんの 立派なカメラで集合写真なども撮っていただいたりする間には、大きな黒揚羽が数匹舞っていました。山 頂は静かでしたが、登って来た二人ずれ(父と小学生ぐらいの男の子)が通り抜けていきました。他に登 りの途中で出会ったのは数人だけで、ずっと静かな雰囲気でした。
   さて、下山も急な道でしたので、長く持ったストックで支えながら下りました。杉林の中を、また下草 に美しいコシダ(小羊歯)が生えているのを見ながら、花緑公園に向かってどんどん下りました。途中で、 妙高寺山の方へ向かう東光寺越の標識もあり、健脚組はそちらに向かいたいと考えていたようでしたが、 先導グループは疲れ気味で、そのままどんどん下りていきました。傾斜が緩まったところは広くなってい て、もう麓に着いたのでした。ベンチの並ぶ、冷たい水も使える東屋で腰をおろしました。まだ2時半頃 だったのではないでしょうか。時間は十分あったのですが、銅鐸博物館などへ寄る気持ちの人はなく、花 緑公園の植物園、薔薇園を散策して、バスの時間まで過ごすことになりました。
 花緑公園の樹木には名札もつけられ、特に薔薇は、HT(ハイブリッドテイー)系のもので、プリンセ スミチコ、プリンセスアイコ、天津乙女、ピンクパンサーなどと素敵な名前がついているのですが、厳し い季節ですから残念ながら花も苦しそうでした。池には蓮が美しい花をつけ、これは見ごろを楽しめまし た。
 花緑公園から野洲駅までバスに乗り(まるで貸し切りのようでした)、JRで(これも初めは貸し切り のような列車に乗り)大津駅についたのは4時過ぎ、約束より少し早い目に夕食を予約してあったレスト ラン洋風創作料理「ふゆーちゃ」に直行しました。
 小さな店で、結局、客は我々だけで、これも貸し切りでした。フランス料理風ではありますが、生麩の 田楽やピザも出てくるというまさに創作料理でしたが、味や量は十分で、ワインを楽しみながら頂きまし た。今日の変化に飛んだ山登りを振り返ったり、今後の予定などにつき話し合って、7時頃には散会とな り、少しひんやりした風に吹かれながらJR大津駅に向かいました。  8月は杉本さんのお世話で堺でお食事会、9月は六甲山の予定です。

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